不動産業界未経験ということ -前職を振り返って-

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Creative Commons License  credit: Mr.Dionysos

ちょっと寝つきが悪いので、自己紹介を兼ねて、私が不動産業界未経験である、ということについて書いておきます。まさに、自分に当てた日記みたいな文章になると思いますので、読んでもつまらないと思います(たぶん…)。

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起業する前に長く勤めていた会社は、不動産業界からは程遠い業界に属するものでした。大きなくくりで言えば、「サービス業」に該当すると思います。

その会社の中ではありとあらゆる仕事をしましたが(要は何でも屋)、不動産取引と関係のある場面は皆無だったと言って良いでしょう。

無理やり挙げてみると、事業所開設の際にテナント仲介業者を通じて物件を探したこと、その契約にあたって交渉をしたこと、他の事業所をたたむ際に、原状回復について管理会社との交渉をしたこと、ぐらいでしょうか。事業所は都心のビルのフロア300坪程度でしたから、賃借料も、権利金も、仲介手数料もかなりの額でそのことには少しビビリましたが、契約に関する作業そのものは、大したものではありませんでした。こちら側の要望とビル側の懸念事項をすり合わせて、覚書を交わす交渉の部分が一番疲れました。

また、金額面での交渉としては、入居も退去も、賃貸借契約に関することよりも、内装工事や現状回復工事に関する見積交渉等の方が、パワーが必要な作業でした(実際、仕様を落とさないで物凄い金額を値切ります…)。

仕事として不動産に関わることとすればこれくらいです。不動産業(宅建業)というものに仕事上接する機会は皆無だった訳です。

その会社では、事業所での顧客対応、営業としての新規顧客発掘や既存顧客フォロー、新商品(サービス)開発、広告原稿の作成、広告計画の策定、職員・アルバイト管理・教育、予算管理等、順に、または同時に携わっていましたが(まさに何でも屋ですね、こうやって列記すると何だかカッコよく見えますが、実際は何でもやらされ、何にでも顔を突っ込んで、ただバタバタしていただけかも)、それらの経験自体はこれからの自分にとっても非常に意味があるものだとは思います。

特に、顧客対応や営業については、鍛錬にはなりました。また、クレーム処理はかなりやりました。自分のテリトリーじゃないところにまで、クレーム処理でヘルプに行かされることもしばしば(トラブルバスター的な位置づけだったんでしょうか)。

これらの経験は、不動産業でも多少は活かせるのかな…と思っています(と思いたい)。

それから、予算達成のためにきちんと計画を立て実行すること、と同時に、何よりも達成への執着を持つ事については、自分に厳しく課していました(実績の人事評価への反映度合いは微々たるものだったのですが…)。毎月の目標をどうクリアするのか、いつも計算していましたし、足りないと思えば無理と思えるような仕事も「やるしかない」と思ってやりました(書くのもはばかられるような労働時間でしたが…)。

ただ、やはり業界未経験であることには変わりありません。自分を安心させるために、何とか関連がありそうな経験を引っ張り出そうとしますが、無理があります。率直に、業界に関しては右も左もわからない、要は新卒で不動産会社に就職する若者と変わりのない経験・知識レベルであることを認めざるを得ません。とはいえ、社会人になりたてで、不動産会社を始めようとは思わなかったでしょう。「やれるはず」と思えるのは、それなりに「必死で働いた」と思う経験があるからです。

しかし、どんな業界の人でも、全くの業界未経験者が一人で参入することの無謀さを指摘しない人はいないでしょう。私自身も前職では、その業界のプロの端くれだと思っていましたし、素人には簡単にはわからないことが多くある、と思っていましたから、当たり前と言えば当たり前です。率直に、ずぶの素人が不動産業界に飛び込もうとしている、ということを認めます。

それでも、こう思っています。

「要はやるかやらないか、だ」

やるかやらないかは自分が選んでいます。やれない理由はいくらでもあります。「業界未経験」はやれない理由の筆頭にあがるものかもしれません。金融機関に起業融資を申し込む場合、起業して行う事業の内容が、前職とどれくらい関連性があるのか、という点が審査されるのは、彼らが経験則として、起業成功の可能性に大きく影響する事項だということを知っているからでしょう。しかし、やるかやらないかを選ぶのは金融機関ではありません。業界に精通した先輩方でもありません。選ぶのは自分です。

私のような年になると、若い頃とは違って、単なる「蛮勇」で行動できるものではありません。いくつかの重い責任を負っています。その責任を果たせること、それが行動を選択する場合の必須条件です。自分なりに、うまくいかなかった時のことを想定して起業をしましたし、不動産業という選択をする際も、自分なりのリサーチをしました。

ただ、いくら慎重に考えつくしたところで、「100%やれる」という保証など出てきません。「やりたい」「やるべき」「やれる」という、どこまで言っても主観から逃れられない言葉こそが、「やる!」という行動に繋がるのだと思います。

さて…

こんな記事、外に向かって書くようなことではないですかね…。私は個人ブログをやるのが初めてなので、なんとなく匙加減がよくわかりません。たぶん、他人が読んでもおもしろくもなんともない内容だと思います。そのわりに長いし。もしもここまで読んでくださった方がいらっしゃったらすみません。でも、ここまで読んでくださったのが、何がしか迷い持ってるという理由からだとしたら、やはりもう一度言いたい。

「要はやるかやらないか、だ。」

 

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griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

2 thoughts to “不動産業界未経験ということ -前職を振り返って-”

  1. グリフィン様 こんにちは。
    あまのっちです。

    20年くらい前に原状回復業務を賃貸業務の一環としてやりましたが、大変な仕事だったことを思い出しました。

    その頃の敷金返還は家主側有利だったような気がします。

    クロスの損耗は今でこそ、原則は家主側が費用を持つようになっているようですが、当時いた不動産屋では賃貸人の居住年数に応じて賃貸人に負担させていたように思えます。

    その不動産屋の標準契約書にはその旨を記載していなかったように記億しています(あいまいな記憶ですが)

    ひどいところだと退去の度にクロスの張替えをさせていた不動産屋もあって問題になっていたと思います。

    ある戸建ての原状回復の見積もりが、敷金をはるかに超えていました。

    上司に相談すると、結局私のいた不動産屋ではなんと賃借人と家主に直接話をするように双方に言ってそうさせたんです。

    それってありなのかな?と20代後半の私は思いました。

    その当時は今みたいに退去時の物件情報を詳しくデ-タ化しておらず、その戸建ての入居時の状態がわからなかったので、はっきりどこを直すべきかわかりませんでした。

    その戸建ては結構おおきな戸建てで屋敷のイメ-ジがあり山の中にあったので、夜は怖いイメ-ジがありました。

    築年数も相当たっていたと思います。

    その後その不動産屋でも入退去時のチェックリストを作り、解約専任者を置くようになりました。

    その賃借人が私の次の職場にいたのも皮肉なものでした。

    良くしてもらった面もあったとは思いますが、それはごく一部で大半はわからないようにイジメをされていたように思えます。

    頭のいい人とは思いましたが、個人的には尊敬できるような先輩ではありませんでした。

    自分の乗らなくなったバイクを会社の敷地内に放置するような人でしたから・・・

    以上長々と書いてしまいましたが、お読みいただいてありがとうございました。

    1. あまのっちさん、こんにちは。

      少しバタバタしてまして、返信が遅くなりすみません。

      現状回復、敷金精算については、今でも不透明な部分が多くあると感じます。

      大手の契約書などでは、国土交通省のガイドラインなんかを反映させた内容を盛り込みつつものすごく細かい特約事項を定めているものがあったりもしますが、だからといって借主さんにわかりやすいかというと…です。

      退去時のチェックと敷金精算の見積・交渉を外注に出しているところもあるようですが、これまたかなり幅があるようで…。

      色々な意見があるかとは思うのですが、一定の敷引特約をしておいて、よほどのことがない限りそれ以外は返すというのがお互いにクリアで良い気が最近はしているのですが、この辺の話は一記事になるような話題だと思いますので、そのうち機会あれば書いてみたいと思います。

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