バランス釜と、この部屋「好き!」。

見かける機会はあまり多くありませんが、築古の部屋のお風呂でたまにあるバランス釜。

By: kenji mori

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バランス釜って?

こんなタイプです。
→ リンク: ガスふろがま、ガスバランス形ふろがま8.5号 | 【ノーリツ】の給湯器・湯沸し器
(物件写真から載せるのはちょっとアレなので、現行機種へのリンクにて。)

浴槽の横に釜が設置されています。若い人は見た事ない方もおられるかも知れないですね。

 

私、若い頃一人暮らしで初めて風呂付の部屋に引っ越せた時は、このタイプのお風呂でした。

それまでは銭湯通いで、営業終了間際に駆け込んで番台のおばちゃんと静かなバトルを繰り広げていたこともありました…。「間に合ったー」と思ってゆっくり湯船につかっていると、一個ずつ電気が消えて行く、気のせいかお湯がどんどん熱くなる、脱衣所まで段階的に真っ暗になっていく、みたいな(笑)。

ですから、風呂付の部屋になっただけで、すごくテンション上がりました。

20数年前の話ですが、当時でもバランス釜はめずらしくなりつつあったかも知れません。しかしこのバランス釜、リンナイとかノーリツとかで現行機種があります。

一部の公営住宅とかUR賃貸の一部とかではまだ結構あるかも知れません。

また、民間賃貸物件だと、築40年ぐらいの古いアパート・マンションなどで見かけます。バリバリ古いまんまの部屋もあれば、全体的にバッチリリフォームしていてすごく綺麗だけど、浴室・トイレあたりはレトロなタイルの床・壁、そしてバランス釜というタイプ。最近の給湯器はついていないので、キッチンの給湯も瞬間湯沸器です。

(そうそう、話はそれますが、給湯と言えばごく稀に古い「電気温水ボイラー」でという部屋もあります。これ、入居前日までに電気を通さないと入居日には水しか出ないってこともあります。入居者さんに承諾を取った上で、管理会社とか大家さんが通電しておいてくれるのが通常です。ちょっとだけ焦った経験あり…。)

 

バランス釜のお風呂に対するお客さんの反応は総じて良くはありません。他は気に入っていてもこの1点で却下、という場合も少なくありません。そのため、こういうお風呂の部屋は、他をかなりきれいにしてあっても賃料は相場より結構安めです。

でも、敬遠する人ばかりではありません。古くても良いから、希望の立地、予算の範囲内で一定以上の広さの部屋が欲しいという方もいますし、レトロな感じを楽しめる上に広くて安いと喜ぶ方もいます。たまにですけどね。

 

 

バランス釜の短所

とはいえ、「バランス釜のお風呂の部屋を探しているんです!」 という人に出会ったことはありません(笑)。

バランス釜は浴室内に設置されるので、浴槽が狭いです。

もしかして、点火した時の「ボッ」っていう音が怖いって人もいるのかも…。追炊きしている時の「ゴー」って音とか。すぐ横で釜が働いていますから。

また、スイッチ入れてひねればお湯が出るという生活に慣れている人からすれば、種火を点火してから使う手順を面倒に感じると思います。

浴槽・バランス釜、そこから出ているホース・パイプなど、ちょっとごちゃごちゃしているので掃除しにくく裏側にカビが生えちゃうかも、いというのも短所でしょうね。

こういったマイナスっぽいところが、使ったことのない人にも初見で感じられてしまうようなルックスでもあります。

 

 

でも、

浴槽が狭い → 我慢する(笑)。

音が…とか、手順が面倒 → 慣れればなんてことない。

掃除がしにくい → 時々カビキラーみたいなやつをぶわっとかけて掃除すればピッカピカになる。

(※ 経験談です。タイルの目地が真っ白になるのって気持ちいいです。但し、換気を良くすること、それから「混ぜるな危険!」です。

ですし、

比較的賃料の安い部屋だと出来ないことの多い「追炊き」もできます。

 

 

ただ、私が個人的に思う最大の難点は、シャワーの水量・水圧。

シャワーの勢いは弱いです。

痛いぐらいの勢いでシャワーを浴びたい人には決して向きません。

 

これはバランス釜の給湯能力によるもので根本的な解決策は給湯器を変えることしかなさそうです。

ただ、ホームセンターなどで売っている節水シャワーヘッドとか低水圧用シャワーヘッドとかに交換すると多少は改善されると思います。多少ですけど。

風呂釜の能力とともに、そもそもの水圧(所在階なども影響するでしょうね)などにもよるとは思いますが。

ちなみに、私は節水シャワーヘッドに自分で交換して使っていました。多少は快適になりましたし、使っているうちにこんなもんかなー、って慣れました。

注: 節水タイプは風呂釜への影響があるかも知れないので本当はダメなのかも。安全面も考えるとガス屋さんに相談して取り替える方が良いと思います。

 

(あ、それから、バランス釜に限らず、ガス器具の定期点検は面倒臭がらずに、入室点検してもらった方が良いと思います。年1回(?)ガス会社から連絡があると思います。また、瞬間湯沸器を使う時は、換気をしましょうね。)

 

 

バランス釜でも問題なし!という人々はいます

今まで、20代や30代そこそこの若いお客さんが、こういった部屋に入居されました。限られた予算内で、希望の立地・広い部屋を探していた人たちです。

古さ自体はあまり気にしないご本人達は、こういった部屋に出会うと「おお!」という感じでテンション上がっちゃって、お風呂を見せても「使えれば十分!」というノリになりがちです。が、バランス釜を使った経験のない人達なので、私としてはデメリットを伝えます。「毎日のことなので、気になる人は意外とずっと気になりますよ」と。

特に若い方だとシャワー中心という使い方も多いですし。

空室だと普通ガス・水道がとまっているので、実際にやってみせることができません。お湯を出す時と水を出す時とでは水量が変わる(と思う)ので、水道だけ開けても意味はありませんし。言葉で説明しますが、毎分何リットルとか話してもピンと来ないので、「ぶわーー」とか「しゃー」とかの擬音と手ぶりを多用した、ヤンキー的な説明になります。それで何とか伝わっている模様。

まあでも、バランス釜はダメという人は、見た瞬間に敬遠しますし、一方で目にしても気にしない人はマイナス面を説明しても「大丈夫です」という人が多いですけどね。

 

こんな感じで入居した20代のお客さんに、数日前ばったり会ったので 「住み心地どうですか」と聞いてみたら、「バッチリです!少しずつ好きな家具を増やして楽しんでますよ」って言ってました。お風呂についても聞いたら、「普通に使えてますよ、寒いですけどねー」とのこと。

寒いのはお風呂だけの問題じゃなくて建物自体の問題ですね。初夏に入居されたのですが、見学の時に 「冬寒そうですねー」とも話していましたし、別に不満というわけでもなさそう。

ちなみに、この人のお部屋、築45年の2DK。玄関を入ると立派な廊下がずどんとあり、和室には床の間もあり、室内洗濯機置場は石(みたいなの?)でできていて、トイレ・浴室は冒頭の写真みたいなタイルばり。「地デジのアンテナはどこかなー」と私が探したものの見つからず、外に出てみたらアンテナ線がむき出しでぶらーん。近くの壁に怪しい小さなデコボコ穴があって「おおお!これか!」 とお客さんと笑いながら盛りあがったような部屋です(さすがになー、と思うところは入居前に直してもらいました)。

 

 

賃貸物件選びは「好き!」でいい。

「本当に大丈夫ですか?」

「大丈夫です」

「古いし、あんなところ、こんなところ、不便を感じると思いますよ?」

「それも味だと思います」

「であれば、アリですね!」

「ええ、色々見せてもらいましたが、この部屋が何だか好きなんです」

申込して頂く前、こんなやりとりがあります。

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古さとかバランス釜だとかに限らず、当たり前の話、何を優先し何を妥協するのかは人それぞれということ。ある人からは「あり得ない!」と一蹴されるようなものを、他の人が一目惚れするということはありえます。

他の多くの人が敬遠するとしても、それを気にいった1人からしてみれば、最良の部屋なんですね。

恋愛に似ている気もします。モテモテの人もいる一方、全然モテない人をものすごく好きになる人もいる、みたいな。

そういうのは特に幸せな出会いなのかも、なんて思います。

 

不動産を購入する場合、住居として買う場合でも、万一の転売に備えて多数の人からどう思われるか(将来の市場価値)を考慮に入れることは必要かも知れません。「好き」も必要だけど、いわば計算も必要。

でも、賃貸の場合は、数年間の間自分にとっての使用価値があるかどうかだけで判断すれば良い。そして、人がどう思うかは関係なく、自分がどう思うか、ただ 「好き!」 で良いのですものね。

 

 

 

近々こういう部屋を案内予定のお客さんがおられるので書いてみました。

 

 

 

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griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

4件のコメントが “バランス釜と、この部屋「好き!」。” にあります

  1. 今さら気づいたのですが、グリフィンさん名古屋で開業していらっしゃるのですか!?
    勘違いでしたらすいません。。。

  2. バランス釜を使った記憶はないのですが、バスタブが狭くなるのは私の好みに合わなそうです。

    ただ、これは本当に人それぞれの感覚の問題で、このところ素人さんの為の不動産学校で盛り上がっていた「心理的瑕疵」と同じで、気になる人は気になるし、気にならない人は全く気にしないというのと同じような感じなのかもしれませんね。

    それに物件探しは妥協点探しという側面もあるので、バランス釜よりも重要視する部分が条件に合致していれば大したことではないのでしょう。

    1. こういう物件に入居する人は、「気にいった!」となるとバランス釜の事など気にしない人が多い気がします。それでも、しばらく付き合うと「違ったかな…」と思い始めることもあろうかと、ネガティブが説明をしておくのですが。

      「他はいいんだけど風呂がな~」と一言でも言った人はそこには決まらないですね。

      本当、その人のニーズ・好み次第です。

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