10年超の長期火災保険廃止、地震保険の値上げも。今のうちに見直ししてもいいかも。

2015年10月以降は、10年超の火災保険の取扱いはなくなり、2016年秋からは地震保険料も全国平均19%程度の値上げの予定です。

By: SmartSign

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弊社は現状賃貸中心なのであまり関係ないのですが、ちょっと気になったのでメモとして残しておきます。

 

1. 10年超の長期火災保険の廃止。

これまで火災保険は最長36年で契約することができました。
しかし、2015年10月以降は、損害保険会社各社とも10年を超える火災保険の取扱いはなくなります。
※ 2015年10月より前に契約した10年を超える長期契約については維持されます。

火災保険は保険期間が長いほど割引があるので、今までは例えば1年分の保険料の約25年分で保険期間36年の火災保険に加入できました。しかし今後は最長でも10年契約を更新していくことになります。もちろん長期契約の場合は、一時的な負担は大きくなりますが、負担総額を減らすことができたので、この改定は実質的に値上げの改訂です。

 

これについては、昨年秋に報道されていますが、廃止の理由については、保険料算定損害保険料率算出機構の改定純率改定の案内に書かれています。
参照:  火災保険参考純率改定のご案内 – 損害保険料率算出機構 (PDFファイルが開きます)

これによると、

自然災害や水漏れ損害による保険金の支払が、近年、増加していること

また、

地球温暖化により自然災害の将来予測に不確実な要素が増しているとの研究成果が発表されたこと

がこの改定の理由とのこと。

 

うーん…。
保険金の支払が増加していることはわかります。体感としても感じますね。
しかし、「自然災害の将来予測に不確実な要素が増しているとの研究成果が発表」
うーん…。まあ、保険会社も商売ですから仕方がないですね。でも、これをそのまんま認めるというのはどうなんでしょう…。

 

いずれにせよ、今年の10月以降は最長でも10年になるので、長期で加入したい人にとっては大幅値上げになってしまいます。

もちろん、長期契約のデメリットがない訳ではないものの、現在短期で加入していてそのうち長期加入に切り替えようと思っている方は、今年の10月前までに見直し(解約して長期契約に加入するなど)した方が節約になるとは思います。いずれにしても加入している保険会社(代理店)に相談してみた方がよいかも知れませんね。

 

2. 地震保険の保険料も値上げ。

地震保険は単独では加入できず、火災保険加入とセットとなりますが、通常の火災保険に比べて保険料が高いこと、保険金額は火災保険の保険金額の30~50%を限度としていること(かつ、建物5000万円、家財1000万円が限度)等もあってか、全体の加入率は高くありません。

 

2013年度末の世帯加入率は、27.9%です。
参照 : 地震保険の都道府県別の世帯加入率の推移を掲載 – 日本損害保険協会(PDFファイルが開きます)
※ 世帯加入率=当該年度末の地震保険契約件数を総務省の住民基本台帳に基づく世帯数で除したもの

 

ただし、付帯率の推移を見ると、2010年度中が48.1%だったのに対し2013年度中は58.1%です。新しく火災保険に加入する場合は、東日本大震災の影響もあって地震保険の付帯率は約6割に迫っていおり、ニーズは高まっていると言えます。
参照 : 地震保険の都道府県別の付帯率の推移を掲載 – 日本損害保険協会(PDFファイルが開きます)
※ ※付帯率=当該年度に契約された火災保険(住宅物件)契約件数のうち、地震保険が付帯されている件数の割合

 

そもそも、日本は地震のリスクが高いため、民間保険会社だけで地震リスクに対応する保険を運営することは困難だそうで、そのため、地震保険制度は再保険で政府が保険責任を分担するという官民一体の制度となっています。

言うまでもなく、それだけ地震災害のリスクが高いということなのでしょう。

 

ニーズの高まる地震保険ですが、来年(2016年)秋にも保険料の値上げを予定しているとのこと。最近報道がありました。値上げ幅は全国平均で19%。昨年(2014年)7月にも、全国平均で15.5%の値上げを行ったばかりですから、昨年の値上げ前からすると3.7割程度の値上げになってしまいます。

また、これと同時に損害区分を3区分から4区分に増やす方向で検討中とのこと。
参照: 地震保険料19%値上げへ 政府・損保各社、家庭向け4区分に  :日本経済新聞

損害区分は現在、被害の大きさに応じて契約金額の100%の保険金を支払う「全損」と50%を払う「半損」、5%だけの「一部損」の3区分になっている。3日の会議では、これを4区分に増やす案が示された。半損を2つに分け、契約金額の60%を払う「大半損」と30%の「小半損」を設ける。

現在の査定基準では、建物の柱や壁などの損害額が時価の20%以上50%未満になると半損と認定される。これを見直し、20%以上40%未満を小半損、40%以上50%未満を大半損に認定するようにすれば、保険料の値上げ幅は19%になるという。

これは損害程度に応じて損害額を細かく認定することで保険料値上げ幅を抑えるという内容なのですが、考えてみると、保険料を抑制できるのは保険金支払額を抑制できるからなわけで、区分の見直しが必ずしも良い話とも言えない気もします。ただ、地震保険は官民一体の制度として、保険会社が儲けることはできない仕組み(必要経費は差し引けます)になっているので、保険料の上げを抑制しつつ保証を広く行き渡らせるということなのかも知れませんね。

 

 

3. 短期の保険の場合、10月になる前に一度検討してみても良いかも。

いずれにしても、家計から見ればありがたい話ではありません。

長期にわたり火災保険に加入するつもりだが、何かの事情で現在短期の火災保険に加入している場合は、今のうちに長期契約に変えることを検討してみても良いのではないかと思います。30年ぐらいになると結構な額の違いがありますからね。

ちなみに地震保険は現行でも5年が最長で、期間に応じて割引があります。

 

※ 別件ですが、賃貸住宅の場合は、持ち家に住んでいる場合とは異なる火災保険商品に加入することになります。大抵の場合、保険期間は1年か2年、内容は、「家財保険」と「借家人賠償責任保険」です。だいたいは不動産屋が指定した保険に加入させられることがほとんどだと思いますが、家財保険の保険金額が高すぎる場合もあるので少し気にした方がよいかもしれませんね。なお、家財には地震保険もセットにすることが可能です。

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griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

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