背中を押す? ~ 賃貸物件案内をしながら考えたこと ~

今日も案内がありました。

Honest, Soho, W1 © by Ewan-M

 

スポンサーリンク

その中で、立地・建物・所在階・間取・設備・他の住人の属性・管理状態なども含めて条件に合っており、コストも納得できるものだなあ私が思っていた物件を、お客さんも一番気に入ってくれました。

でも、そのお客さんは引越し予定に幅があり、もっと先でも構わないと考えている方です。とても穏やかな人の良い方で、ネガティブな言葉自体をあまり発しないような方。相談していると、はっきりは言わないものの、少し気になる点を妥協しきれないのが本音だと推測されました。確かに私も現地で少し気になった部分です。

今日時点で案内可能な物件の中ではベストだと思いましたが、お客さんの引越し予定とこれから出てくる在庫を考えれば、もっと良いものが出てくるはずなのは事実。私が常にウオッチしておいてきっちり紹介すればもっと良いものを紹介できると思いました。

プッシュすれば入居申込書を書いてもらえそうでしたが、そうはせず「検討期間が長いと他の方で決まってしまうかも知れませんが、決めきれない点があるなら即決する必要はないです。持ち帰って少し落ち着いて考えてみて下さい。今後他の物件もいくらでもご案内しますので、気楽に考えて下さい。」とお伝えしました。

 

ミスマッチ物件という訳ではないのだから、正直言えば、その場で決めたい気持ちももちろんありました。

甘いのかな、と思わなくもありません。数字を追いかけるならプッシュする場面が必要なのは、不動産業でなくても当然です。上司がいて見ていたらぶっ飛ばされそうです(業種は違いますが、かつて私はどちらかというとこのぶっ飛ばす上司でした)。それに、お客さんの背中を押して、決断させてあげるのも時には必要だと思います。

 

お客さんが帰った後、事務所の外を歩いていたら、近隣の顔見知りの方が「さっきお客さんと歩いていたの?案内?」と聞いてきたので、「結構気に入られてはいたんですけど、内心迷っているのがわかったので、じっくり考えてね、って帰しました。」と言ったら、「あはは、不動産屋に向いてないんじゃない?」と嬉しそうに言わちゃいました。

 

うまく表現できないのですが、賃貸の客付の立場というのは、入居してしまうと自分の手を離れてしまい、お客さんを継続して何かサポートしてあげるという機会はないだろうなあ、と思います。継続的につながって行ける方法模索していきたいと思っていますが、現時点では「その場限り」感が否めません。でも、他の物品の購入とは違い、お客さんはそこに一定期間住み続け、毎日何かを感じる。毎月賃料も払う。それだけに、できるだけきっちりマッチングしたい、という気持ちはあります。100%はない、というのもわかっているつもりなのですが…。

 

綺麗事っぽいし、お客さんの数が少ないからそんなのんびりした事を言える、ということもあるかも知れません。本音では、「この元付にアピールしておきたいな」なんて想いだってあります。ただ、お客さんに「押し切られた」感を残す事だけは絶対にイヤ。

 

案内も始めたばかりで、下手くそというのももちろんあります。話すことも、現地での要領なども。良く言われる案内する物件の順番などは、意識してあまり考えないようにしています。

とにかく少しでも数をこなしながら、自分のスタイルに自信が持てるようになりたいと思います。

 

色々考えてはいますが、結局のところ今は「馬鹿がつくぐらい正直にやる」「たくさん働く」ということだけが自分の中ではっきりしています。サラリーマン時代に「見たことがないような馬鹿正直だな」と良く言われました。本当にそうかはわかりません。確かに嘘は嫌いですがそのことで自分を褒めたことはありません(トラブルも多かったので)。意固地なだけかも知れません。でも人間は急には変わらないものです。

今は苦しく、目先の売上を追いたい気持ちも強くあります。でも、目先の小さな売上よりも、もっと大事な事、ビジネスとしても後々に必ずつながるはずだと信じて進みます。いくら手間や時間がかかっても、1件、1人ずつ馬鹿丁寧にやっていこうと思います。

 

 

 

……と、この記事を書いている最中に、 たった今、今日案内したお客さんからメールがありました(スマホ転送で受信)。

「グリフィンさんのおっしゃるとおり、慎重に考えていて、ゆっくり決められたらいいな、と思っています。親身に対応してくださり、紹介してくださる物件はどれも良いので、安心してお任せできます。これからも宜しくお願いします。」

おおおおおおお!嬉しい!良かった!頑張ります!!!

 

なんかタイミング的に嘘みたいな感じですが、本当の話です!

さっきまで、少しもやもやと考えていましたが、吹っ飛びました。

この先どう進んでいくのかまだまだわかりませんが、自分を育ててくれるのはお客さんだと思います。

 

 

————–

仕事が僅かながら動き始め、まだまだ要領が悪いのであたふたしています。その一方で身内に色々あったり、他の用件も積もっていて、あちこち行かなければなりません。でも、出来るだけ休業日にはしたくありません。そのため、長距離移動も含め強行スケジュールがしばらく続きますので、ブログ更新がしばらく滞ります。ご了承下さい。

 

関連記事とスポンサーリンク

スポンサーリンク


関連しているかもしれない記事

griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

4 thoughts to “背中を押す? ~ 賃貸物件案内をしながら考えたこと ~”

  1. 運転資金の許す限りは、好きな様にして、色々考えながらすればいいと思います。営業スタイルは本当に人それぞれですので、僕は案内する時は、周りやすい順番に行きます。時間が勿体ないんで(笑
    その際に、行く前にお客さんには、今から行く物件は本日三番目にオススメですとか、一番オススメですとかはちゃんと言っときます。
    でないと、見た時の印象などで案内が失敗しやすくなります。
    何故かを書き出すと多くなるので、また(笑

    1. 今は本当に案内の要領が悪いです。準備にも案内にも時間がかかります。案内に行く前は、お客さんに負担をかけないようにと頭の中でシミュレーションを何度もしてしまいます。

      でも実際には現場でお客さんと、「こうかな、ああかな」と素人っぽく相談していることが多いです。内見に同行した親戚のオジサンみたいです。不動産屋っぽくアドバイスすると「へえ、そうなんですか」と素直に耳を傾けてくれますが、一緒に考える部分と、プロとして説明・解説する、ということをバランスよくやれたらいいな、と思います。

      とにかく場数を踏まないと、ですね。

      おススメの順位を伝えないと案内を失敗しやすい理由、是非今度教えて下さい。

      とおりすがりさん、いつもありがとうございます。

  2. お久しぶりです!素晴らしいじゃないですか!
    99%の店では業界経験通りにプッシュ営業ですよ。
    未経験ならではの強みが発揮されましたね。
    おそらくお客さんも「強引じゃない不動産屋」として宣伝してくれますよ!
    私も近代化センターの研修や書籍で基本から勉強始めました。
    http://www.kindaika.jp/
    頑張りましょう。

    1. きっと幸運にも良いお客さんに恵まれた、ということもある気はします。でも、本当にメールを見たときは無茶苦茶嬉しかったです。
      強引じゃないけど成約率が高い、そんな風になりたいと思います。
      物件ではなく、会社を(自分を)選んでもらう、「任せた」と言われるようになりたいと思います。

      基本から勉強、素晴らしいですね。私も頑張ります。
      なにわびとさん、ありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スパム防止のため下の式の空欄に答えの数字を入力してください。 *