宅建協会の不動産業開業セミナーに行ってきました。

宅建協会の不動産業開業セミナーに行ってきましたので、その感想など。

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想像していたよりも参加者は多数。8~90人ぐらいいたでしょうか。老若男女、かなりバリエーションに富んだ方々です。ざっと見渡したところ、男性90%女性10%、定年退職後っぽい年配の方が結構多くて40%ぐらいおられたでしょうか。3~40歳代40%、50歳代10%、20歳代10%という感じが目視での感触です。ちょっとアクの強い感じの人も結構多い気がしたのは気のせいでしょう(というよりアクの強いのは自分か…)。

最後に個別の開業相談時間が設けられていたのですが、20代の方々はあまり参加せず帰っていたので、後々の勉強のためにセミナーに参加した、というところでしょうか。その他の年代の方々は、それなりに開業を検討されているようでした。セミナーの講師の方々が、「最近は異業種からの参入や、業界未経験の方の開業が多い」としきりに話しておられましたが、個別相談で漏れ聞こえてくる内容から、実際多いのだろうな、と思いました。

セミナーのプログラムは、
・ 県の宅建協会会長からの挨拶
・ 大学教授講演
・ 宅建協会入会メリットや開業体験談の紹介
・ 宅建事業協同組合の紹介
・ 宅建業開業に向けての短いビデオ上映
・ 個別開業相談会(希望者のみ)
といった内容でした。

正直もっと簡素なものを想像していましたが、全プログラムで4時間かかりました。盛りだくさんですね。

1. 大学教授の講演

大学教授の講演は、現在の不動産業界の状況、変化の方向性、それに対応していく心構え等の内容でした。「収益価格」に関する詳しい話や諸外国の制度の紹介等もあって、配布されたレジュメも結構充実したものでした。参加者のタイプにはかなりのばらつきもあり、「開業セミナー」という表題からはしっくりこない人もいたのでしょうけど(ちょっと難しいなと思った人も結構いたはず)、私自身は色々考える材料をもらえました。

私は、大学教授の言う事だからと「ふんふん」話を聞くタイプではないのですが(笑)、今日の講演は自分が調べてイメージしていた業界の課題や、開業してから取組みを考えなければいけないと思う点など、「やっぱりそうなのか」と思う点も多く、意外と自分の見方は間違っていないのかも(ちょっと不遜?)、と思える部分もあって有意義でした。賃貸管理業に関する話などは、自分がまだ把握していない今後の方向性等も知る事ができました。

2. 宅建協会入会メリットや開業体験談紹介・宅建事業協同組合の紹介

これはもう、「入会しましょう、しましょーーーーう!」という勢いを感じる説明。とてもまじめに協会のお仕事をされているんだなあ、と本筋とは関係のないところでも感心してしまいました。入会メリットは結構調べていたので知っていることも多かったのですが、「各支部にいる顧問弁護士への相談は無料」(もちろん依頼になれば有料でしょうけど)とか、「そっか」と思う情報もありました。

体験談の紹介などは、それだけ聞くとちょっと「夢のよう」にも思える感じでしたが、本気で不動産業を始めようと思う人なら、大人な感じで(笑)この辺はうまく差し引きして理解するってのも大事な気はします。

でも、協会をどんどん「利用」すれば、色々サポートしてくれることは確かなようです。私自身、話を聞いて、「厚かましくどんどん質問しちゃおう!」と思いました。それでも「嫌がらないよ」というメッセージが伝わってきましたよ。不動産屋って、多少厚かましいところがないとダメな商売にも思えるので、普段厚かましくない人は、まず手始めに協会に対して厚かましくしてみる、というのはどうでしょう(笑)。

尚、不覚ながら、宅建事業協同組合のことはあまりよく知らなかったので、その存在を認識できたのは良かったです。全国不動産管理業協会の案内もありました。

組織である以上、会員獲得が大切なことはわかるんですが、それにしても熱心でした。

3. 個別開業相談会

参加して本当に良かったです。

相談希望者が多く、最初は短時間での相談になりそうな雰囲気で、「ああ、これは支部に予約して開業相談に行った方がいいかな」と思いましたし、後日行こうとは思いますが、今日の相談会もとても有意義でした。

私の応対をしてくださった方がとても気さくな方で、質問にも丁寧に答えてくださいました。あまりガツガツした感じはない方で、強く売り込むのではなく物件の良い面と悪い面をきちんと伝えることで商売にしてきた、というお話や、近隣関係にも配慮しながら売上が欲しいけど取引を見送ったり、そのことで逆に紹介客が増えたことなど、とても丁寧に話して下さいました。私の方から法規制や業界ルールとかから見て「グレー」な部分の実態とかについても質問しちゃったりしたんですが、適当に流したりせずに、しっかり答えて下さいました。「口下手」「営業嫌い」とおっしゃってましたが、とにかく楽しくお話できましたよ。

ちなみに、協会に入るには、在会3年以上の正会員2名の方の推薦が必要ですが、私は協会に知人もなく、その上地元でもなんでもない場所で開業しようとしているので、どうしようかなあと考えていました。その事を相談したら、最初は「1名はなんとか自力で探すのをお願いしているけれど、無理な場合は入会支部の役員の方などの面接を受けて推薦をもらう運びになる」という説明でした。

でも、お話しているうちに「あなたの推薦人の1人は私がやってあげるよ。あと入会する支部から推薦人1名も手配できるよ。」と言って下さいました。名刺を下さって、会社に直接電話してもいい、とも言って頂き、私も名刺をお渡ししました。最後は握手(笑)。後日改めて連絡してご挨拶に伺うつもりです。

会員獲得という使命もあってのことだとも思いますが、不動産屋さんには気さくな人も多いというのは本当なんだなあ、と思うと同時に、とても良い人に相談でめぐり逢えて良かったと感激しました。まじで素直に。

4. 修行について

全体説明の際に、「業界未経験の方から、修業先を紹介してくれないか、というお話が多数ありますが、そういう風にしなくても協会が全面的にサポートするからとにかく踏み出しましょう。」的な話がありました。個別相談の際にちょっと聞いてみようと思っていたことだったので、「あ、俺みたいな人からたくさん問合せがあるんだな。」と思いました。ちなみに、私自身は「修行に出る」という選択はかなり薄れています。

ただどっちにせよ、例えば売買の物件調査なんて、素人同然の人間がやって大丈夫か?というのは当然ですし、トラブルにならなかったとしてもいい加減な仕事はしたくない。それで個別相談の際に話してみたら、最初は知り合いの宅建業者と共同仲介をさせてもらうというのがいいんじゃないかな、とアドバイスをもらいました。その取引で得られる収益が減ったとしても、勉強と人脈、という点では決して高くない授業料だろうな、と思いました。やはり、未経験者が開業する際には、できるだけ信頼できる先輩業者を見つけて色々教えてもらうのが一番なのでしょうね。何の伝手もない未経験者がそういう繋がりを得るためだけでも、協会に入る意味は十分ある気はします。

但し、業界の既成概念に染まるのではなく、独自の考えを貫いて進むことを忘れちゃダメだとは思っています。

5. まとめ

一業者としてはどうかわかりませんが、「協会」としてはとにかく多くの人に開業してもらいたい、というスタンスですね。ホームページ等でもそれは感じますが、役員の方々や協会事務の方々の真剣な運営ぶりからもそれは良くわかります。

実際には、開業する人が多い反面、廃業する人も多いですし、他業種に比べて当初の投入資金は抑えられるとはいえ、それなりのお金はかかります。片手間でやるのでなければ生活がかかっています。さすがに、うまくいかなかった時に「協会が大丈夫だって言ったのに」って言う人はいないでしょうが、不動産業界を取り巻く状況は、簡単にバラ色の展開があるとは思えないのが現実だと思いますので、慎重に考えることも必要だと思います。

開業するかどうか迷っている場合は、ポジティブな話よりもネガティブな話の方をたくさん集めた方が良いのではないか、と個人的には思います。私自身、成功談よりも失敗談や不動産取引まわりのトラブル事例ばかりを探しまくった時期もあります。

でも、開業する事自体はもう「決めた!」という状況であれば、こういった開業相談等には積極的に参加すると良いと思います。

私自身は、「不動産業界の先輩方と接触する機会」として、この開業セミナーに参加したという面があり(以前の登録実務講習もそういう機会として考えていました)、そういう意味では本当に有意義なものでした。

セミナー形式じゃなくても、個別の開業相談は予約すれば随時可能だと思いますので、開業を検討されている方は、参加をおススメします。

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griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

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