リフォームOKの交渉をしてみました。

めずらしく連日更新です。

(Photo © by Marcus Hansson)

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来週以降、また移動が色々あります。問合せや来店のあるなしに関係なく、この時期に事務所を空けるのはイヤなのですが、どうしようもないので、またもや強行スケジュールを組んでいます。

このブログも、忙しさだけでなく、心理的な浮き沈みも影響して、更新間隔がすごく空いてしまうことがあります。続けたいので書ける時に少しでも書くようにしようと思いますが、今は少しですが仕事の楽しさも味あわせてもらえているので、更新しやすいのも正直なところです。

 

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本日、入居申込を1件頂きました。約2週間前に「部屋探しのことがわからないので、相談に乗って欲しい」と来店して下さった方です。

今日を含め3回来店、ご案内もしたのですが、申込されたのは初日に「内見体験ぐらいのつもりで行ってみましょう」とお連れした物件です。ご本人から「あの物件がかなり気になるので、今日もう一度見に行きたい」ということで再度内見にお連れし、意思確定に至りました。

 

この物件、周辺環境はすばらしく、お客さんが希望されていたエリアの色が強く出ているような場所にあります。

ただ、かなりの築古で、設備は何度か途中で更新されてはいるものの、かなり古いことは否めません。最新設備に慣れていたりすると、かなり不便を感じそうです(地デジや光ファイバーだけは来てるのですが)。断熱・気密性も問題ありそうですし、当然耐震性も期待できません。また、身長の高い人なら鴨居に頭をぶつけるような感じです。

その代わり、賃料からするとなかなか得がたい間取りと広さです。それに、なんていうんでしょう、なんだか可愛い物件なんです。上塗りを重ねた壁の塗装なんて角のRの感じがなんとも言えずいい感じです。

 

個人的には好きな物件なのですが、万人に向いているとは到底思えず、冬の寒さ、夏の暑さ、設備の不便さ・面倒くささなどは日々続くことなので、「この辺のことは慎重に考えてください。やっぱり最新設備は便利ですよ。」「住む人を選ぶ部屋だと思います。」とお伝えしてはいました。

また、予算内で選べる最新に近い設備がそろっていて外観・内装もカッコいい物件や、予算を節約できてそこそこ不便はなさそうな物件、他にも個性のある物件などを案内し、比較検討してもらいました。

今日、再確認されている間は、意識してあまり自分の意見は話しませんでした。ゆっくりじっくり細かいところまで見てもらうようにしました。

 

事務所に帰って座るなり、お客さんから「申込します」とお申し出がありました。

後は入居申込書を書いてもらって審査・手続を進めるだけです。

 

ただ、実は最初の内見の際に、二人で「自分でリフォーム出来たら楽しいですよねー。」なんて会話をしていました。お客さんが、すごく古いけど工夫して暮らすと楽しそうだ、と考えているのも感じます。そこで私の方から「その気があるなら申込書を出す前に、貸主さんとリフォームのこと交渉してみます?交渉するのはタダなんだから、やるだけやってみますよ。」と提案しました。

こんな提案しなくても申込してもらえるのはわかっていたものの、出来る事はしてあげたい。それに、こういう交渉が現場でどれくら行われているのか知る由もないので、自分自身がやってみて経験にもしたい、という気持ちもありました。

東京なんかでは、リフォームOKだったり、壁紙が無償で選べたり(って言っても、その部分が他の名目の費用にのっかってる気がするのもありますが)という物件もあるようですが、こちらではあまり聞きません。

しかしこの物件、そこそこの期間空室でしたし、このお客さんの属性・人柄はきっと貸主にとっては申し分ない筈。「リフォーム費用は借主負担・リフォーム内容は事前に連絡・このリフォームの原状回復義務はなし」ということであれば通る可能性が高いと踏んでのことではあります。

お客さんからは「ダメでも申込はしますのでお願いします」とのお言葉を頂き、元付さんに電話。

元付さんは最初 「うーん…、基本的にはやっぱねえ、うーん…」という感じではありましたが、しばらく交渉していると、「貸主さんに相談してみます。」と言ってくれました。その後すぐに貸主さんに連絡してくれて、「事前に連絡、内容がよほど奇抜なものでなければOKします」との返答が来ました。交渉成立!

電話をしている様子を見ていたお客さんの顔が見る見る笑顔に。とっても喜んでくれました。

 

 

また、トータルコストと月額コストを含め、お客さんの予算上限にきっちり納まりました。

審査もすぐに通過し、(先日とは違い)重説・契約書は元付さんから送られてくることになっています。

ちなみに、この件での売上は賃料の約2か月分(仲手+AD1)です。

 

それなりに手間はかかりましたが、今後の手続きも含め、この程度の労力であれば十分な報酬に思えます。

何よりも今回は、お客さんにも元付さんにも恵まれました。じっくり検討した上で決めたお客さんの納得感や、リフォームOKになった時の嬉しそうな顔で、私自身もとても充実した気持ちにさせてもらえました。

いつもこんな風には行かないでしょうが、とにかく1件ずつできる限りのことを積み重ねて行きたいと思います。

 

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仲介手数料は成約あってのことなので、クールに考えると自社で成約するかどうか不透明な場合よりも、「任せます」と言ってもらった方が、現実的には全てに対してマックスを出しやすいと思います。資源は限られているので、その方がお客さんに対しても最大限メリットを出せて満足度は高くなると思います。

「任せる」と言って頂けることは、ビジネスとしても非常に重要だと思うので、この辺のことは、単に「信頼」とか「親切」とかの言葉で済ませるのではなく、少し詰めて検討したいと思っています。

おやすみなさい。

 

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griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

8 thoughts to “リフォームOKの交渉をしてみました。”

  1. はじめまして

    私は、今日宅建の実務講習を終えたばかりでまったくの未経験者です。

    いつも楽しみに拝見させてもらってます。

    グリフィン先輩の経験談、みなさんのコメント、いろいろ参考になります。 

    先輩のご活躍、期待しております! あ、でも体調くずさない程度に
    がんばってくださいね。

    1. グレープさん、はじめまして。

      講習お疲れ様でした。
      思えば私が講習を受けてから1年経ったんですね…。
      思い描いていたようなスタートダッシュは切れませんでしたが、ぼちぼち行きますので見守ってやって下さい。

      ご声援ありがとうございます!
      また来て下さい。

  2. 動き始めてますね〜!!
    良かったですね!
    私も会社設立に動き始めました。
    グリフィンさんのブログをもう一度読み返して、私も頑張ろうと思います。

    1. noriさん、ありがとうございます。
      まだまだ色々と足りませんが、頑張ります。

      noriさんもいよいよ会社設立ですね。
      応援しています。
      頑張って下さい!

  3. 申込良かったですね。お客さんも満足されて良かったと思います。
    グリフィンさんの接客の仕方を見ていると、手数料一ヶ月で良いと思います。
    いろんなお客さんがいてまして、物件にこだわったり条件にこだわるので、時間のかかる人や、来店して一時間ぐらいで決めちゃう人もいます。僕はこの前半のお客さんは手数料一ヶ月貰わないと割りが合わないと思い。逆に後半のお客さんには、手数料請求する事が申し訳ないと思っています(笑

    あと、売買なら高額物件の手数料3%や月額賃料100万近くする賃貸手数料とか、そもそも宅建業法を見直さないといけないかなと思います。

    1. とおりすがりさん、こんばんは。

      仰るとおり、賃料が高額であれ低額であれ、労力に大幅な違いが出るわけではないですものね。一律に高賃料=手間がかかる、低賃料=手間がかからない、というならまだしも、むしろその逆の場合もあるでしょうし。業法は労力に見合った報酬というよりも、(金額的な)責任の大小について考慮しているのかも知れませんが…。

      高額賃料なのにADの設定まであると、ちょっとビビります。そうそう決まるようなものじゃないでしょうけれど。

      日々手間をかけて情報提供などしていると、なんだか、成約しなかった人にかけたコストが成約した人から頂く報酬にオンされている、という気もしてきます。不動産屋側からすると、トータルで考えると別に美味しい思いをしている訳じゃない、ということでしょうが、個々のお客さんには関係のないことですし。

      働いた分だけ報酬を頂く、という素朴な感覚からすると、色々考えてしまいますね。

      一律0.525は当面止めましたが、価格設定についてはいつも頭の片隅で考えています。

    2. 何度もすいません。価格設定って難しいですよね。SEOに莫大な費用をかけて集客していたら、手数料一ヶ月は必要ですし、僕は宣伝広告費や固定経費に費用をかけていないのと、難しいお客さんはパスしているので、手数料無料でやります。
      莫大な宣伝費をかけて、おれおれ詐欺みたいに、数多くお客さんにあたって、一件でも、大きい手数料を貰うのも、それはそれでありかなとも思います。

      あと最近は買い側のエンドユーザー相手に商売するのは辞めて、家主さんや売主さん相手にして、正規手数料を貰おうかなと考えています。
      やはり客付けで展開するにはFCに入ったりしてネームバリューがないと難しいと思ってきました。

    3. とおりすがりさん、おはようございます。
      本当に価格設定は難しいですね。ぐるぐる考えてしまいます。

      【ぐるぐる1】
      価格を下げるのは反響を上げるため。
      反響上げた分、回転を上げる。
      回転を上げるには経費(広告宣伝費と人件費)がかかる。

      なんてことも考えますし、

      【ぐるぐる2】
      1件ずつ馬鹿丁寧に対応、成約率を上げる。
      馬鹿丁寧な対応で回転は下がる。
      回転下がるなら客単価は一定以上が必要。
      かといって客単価には限界がある。
      馬鹿丁寧に対応するために経費を抑える。

      なんてことも考えます。

      かけるべき経費は何か、経費を抑えるのはその余力で何をしたいからなのか、クリアにしないと行けないなあ、と思います。

      ※どちらにせよ、経費(業務負担含む)・売上のバランスやら時期的な違いなども感覚的にまだ全然つかめず、さらに、現状は余力も何もない状態ではありますが…。

      【ぐるぐる1】でやっていくには、やはりどこかで思い切りが必要な気がします。FC看板とポータルへの広告宣伝費+対応する頭数の確保、どこででも見かけるお店のタイプは、ある意味非常に合理的な形態なんでしょうね。でもそれを後追いしても勝てる気がしません。

      まだまだ霧の中でもがいていますが、当面【ぐるぐる2】で行ってみます。それでも一定以上の反響は必要で、自前SEOの成果が結果に大きく影響する気はします。

      賃貸について「管理を取っていけ」とアドバイスくれる方もおられますが、現状十分なサービスを提供できる自信がありません。賃貸は客付だけでいいかなあ、なんて思ったりもします。

      売買の方は全く手がまわってませんが、売主・買主両方を相手にできるようにしたいとは妄想しています。売買の方が価格設定を考えやすい気がしています。

      いつもありがとうございます。

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