またまたご無沙汰してしまいました。前の更新からもう2ヶ月近く経ったのですね…。
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夏場を超えるとやはり少し問い合わせは増え、少し追われております。追われていると言ってもそんな景気が良い話でもなく、ただ単に身体がひとつしかないし、未だに効率よく動けてないからでしょうか。
売買仲介の方にも目が向いてきた昨今、先輩業者さんからも少しはっぱをかけられたりして、「まあ、やるしかねえべな」と思っているところですが、今日も賃貸の話です。
居住用賃貸の仲介手数料を家賃の54%にしました。
かねてから「検討中」としつつも結局動かせなかった居住用賃貸の仲介手数料ですが、この度家賃の半月分にすることにしました(税込で借賃1か月分の54%です)。
振り返ってみると、去年の1月のエントリーでこのテーマについて書いているのですが、結局そこからずっと1か月分を頂いていたわけです。
もちろん、売上単価は下がります。
もっとも、単純に半分になるというわけではなく、多くの居住用賃貸ではADが1か月分つきますので、このADつきの物件だと売上単価は25%減です。
ただ、中にはADがつかないものもありますので、大まかに言うと、同じ件数だと居住用の売上30%減といったところでしょうか。
事業用を含めたトータルだと、同件数で売上約20%弱の減。居住用繁忙期だけ考えるともっと下がるでしょうか。
当然ですが、件数アップするしかありません。勝算はあるのか…?
しかし、両隣駅に仲介手数料半月の大手店舗は出ていますし、たまにですが、弊社でご案内したお客さんがそちらに行って契約してしまったということもあるようです(まあ、はっきりはわからない、というか追及はしないんですが)。
一人一人じっくり丁寧にやっている弊社としては、まあ1か月分頂いてもいいだろうという気持ちもありましたし、大した売上でもないのにこれ以上下がるのは嫌だというのも正直あってなかなか踏み出せませんでした。
実際、他に流れた(かもしれない)お客さんは、なかなか信頼関係が築けるやりとりが出来ない感じのタイプで、つまり、たまたま弊社に来ただけで、どこの不動産屋でも良い人なんだろうと思うんですが、一方で居住用賃貸の部屋探しというのは概ねそんなもんだという面もあります。
賃貸借仲介手数料の報酬上限
ちなみに、仲介手数料の報酬上限については、「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(昭和45年10月23日建設省告示第1552号 最終改正平成26年2月28日国土交通省告示第172号)に、
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・〇八倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五四倍に相当する金額以内とする。
とあり、
・仲介手数料は貸主・借主からもらう合計額で1.08か月分が上限。
・一方当事者からもらえる報酬上限は、事業用賃貸借で1.08か月分、居住用賃貸借で0.54か月分。
・ただし、居住用賃貸借でも、当事者から承諾を得ていれば1.08か月分もらえる。
ということなのですが、
居住用賃貸借で借主から0.54か月分を超える仲介手数料をもらうためには、借主から 「承諾」 をもらわなければならないということなのですよね。
この 「承諾」、現場では省略されていることが多々あるように思うのですが、そこそこの不動産会社などでは、費用明細に 「お客様の承諾を頂いて賃料の1.08か月分を頂いております」 などの注意書があったりして、また、念入りなところだとこういった文書に捺印を求めたりして、「承諾があった」ということにしている模様です。
弊社でも、手続きの流れを説明する文書や、費用明細書などに、こういった文言を入れた上で、口頭でも説明をしてきました。
しかし、この説明をするとき微妙な気持ちがするのですよねえ…。
なんていうんでしょう。
承諾を頂けばいいんですし、お客さんが納得していればいいんです。でも、中には半月分の手数料でやっているところを知らない人もいるでしょうし…。知ってても、「お宅になら1か月分喜んで払うよ」と言ってもらえるような場合も中にはあるんでしょうけども。事業用はともかく、居住用賃貸の仲介でそこまで胸を張れる場面がそんなにあるかどうか…。
「承諾」というからには、承諾しない場合も想定されるわけですが、実際にはそういうことは起きていません。まあ、承諾しない人は黙ってよそへ行くかもしれませんが。
仮に「承諾しません」と言われたとしたら、「じゃあ、半月分でいいです」 または 「じゃあ、仲介しません」のどちらかになるんでしょうけど、売買の仲介手数料と違って、半月分を原則として法定されているわけですからちょっと微妙…。
つまり、(繰り返しになっちゃいますが) 賃貸の仲介手数料半月分というのは、値引きしているのではなく、法定上限をそのまま適用しているだけです。1か月分もらうのがイレギュラーだと、規定では少なくともなっているわけです。
正直ですね…、しれっとした感じで仲介手数料の説明をするわけですよ。「お客様の承諾を頂いて1.08か月分頂いております」的な感じで。「原則半月分だけど、承諾もらえれば1か月分なので、1か月分頂戴ね、承諾してもらえます?」みたいには説明しないわけです。だって 「ヤダ!」って言われたらちょっと困っちゃいますもん。
手続きを進める中で、私はこの場面が正直一番いやだったのです。
つまり、大きいのは気分の問題。
生活がかかっているので、気分の問題で売り上げ下げるわけにはいかないですし、いったん下げると再び上げるのは困難なんですが、1か月分頂く事業用も相対的にそこそこの比率だし、そもそも大した売上じゃないから他にもどうせ考えなきゃいけないし、ということで、やっぱり結局気分の問題優先でやっちゃいました。
(とりあえず賃貸限定ですが)これだけあたりまえのようにネットで物件探しする人ばかりになり、「この不動産屋さんに任せよう」という人が多くはない状況の中で、「こっちの方が得かもー」と思うことには抗えないですし、例えばうちで案内したお客さんが他の店舗で手続きしたとしても文句が言えることでもないよなー、と思うので、それなら条件をそろえてすっきりしちまえ、と思ったのもあります。
あくまでも弊社は懇切バカ丁寧な対応を続けますし、そういうのを評価してくれるお客さんもいますが、そういうお客さんにも半月分だけ頂くことにして、すっきり仕事したいと思います。
手数料の額が同じなら、じっくりやってくれるところがいいな、と思ってくれる人が増えることもちょっとは期待してます。
つまりですね、
大した売上でもねえのに、単価が下がるとかビビッてねえで、件数増やす努力しろや!
という没理性的でありつつも、私の性分に合った決定です。
まあ、賛否両論ありそうなことでもありますが、周囲の環境にもよることですよね。なんだか近くに他の客付専業店舗が出てくるような話もありますし、すっきりしてやってみます。HPにも手数料の件、アップしました。
仲介手数料半月とADの存在
先にも少し書きましたが、仲介手数料を半月にしたからといって売り上げが半分になるわけでもありません。貸主側からAD(広告費)の名目で払われる報酬があることが多いからです。
例えば10万円の家賃に対してAD1か月分(税込)だとすると
仲介手数料10万8千円頂くなら、合計20万8千円の売り上げ
仲介手数料5万4千円頂くなら、合計15万4千円の売り上げ
です。
中にはAD2ヶ月出るものもあります。
ADはまあグレーな存在ではあるんですが、今回は長くなるのであまり踏み込みません。
3万5千円の賃料の部屋だと、1ヶ月分で37,800円(税込)、半月分だと18,900円(税込)です。これくらいの賃料帯だとAD2ヶ月分出る物件もあるので、その場合は手数料1ヶ月分もらえば107,800円、半月分でも88,900円の売上です。嬉々として案内する、というよりこの辺の賃料帯のものに特化してやっている店舗もあるぐらいです。
ただ、このADの存在が、客付がお客さんにすすめる物件を左右することがあることも事実だと思います。AD0よりAD1、AD1よりAD2の方がいいですよね。人間だもの。
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お客さんの目には触れない事情によって、「売りたい」商品が変わることがあるのは、何の商売でも同じでしょうし、お客さんとしては、気に入らなければ契約しなければ良いわけです。が、例えば、「この物件AD1で礼金1ヶ月だけど、礼金2ヶ月とったらAD2にしてもいいよ」 なんてことも実際には行われているので、このへんはちょっとなあ、と思います。
ネットなんかだと、「仲介手数料半額の会社は、他の費用を高くしている」 とか 「ADが出る物件しか紹介しない」 とか 「自社物件しか紹介しない」 とか、「不要なサービスに入会させられる」 とか、いろいろ的を射ているような射ていないような諸々が書かれていますが、真偽のほどは定かではありません。というか、そういう場合もあるだろうけれど、そうじゃない場合もあります(余談ですが、不要なサービスに入会させられる、というのは手数料がどうかにかかわらず割とよくある話なんですが…。目にあまる感じのものは弊社では仲介していません。また、客付中心の会社で自社物件しか紹介しないとか、そりゃちょっと…。まあ自社管理物件は早く埋めたいでしょうけどね。)。
(ちなみに、賃貸仲介(自社物件の賃貸ではなく)で仲介手数料無料、なんていう会社もあります。AD前提でしょうが、これはこれでそれなりの企業努力が必要だろうと想像します。)
それに、仲介手数料1か月分の会社でも、ADの存在を丸無視しているところはないんじゃないでしょうか。やはり気になりますよ。人間だもの。
ただ、AD2ヶ月ついて、担当者バックもあって、客付会社も担当者もウハウハみたいな物件でも、そのお客さんにはぴったり、ということもあるでしょう。実際、私が単身赴任生活をしていた時に借りていた部屋はこういうタイプの部屋です(開業後調べてみたらなかなかにオイシイ感じでした)。でも一方で入居者である私もその部屋に大満足でした。当時のニーズにばっちりあってましたからね。
まあ、この辺のことについて、良いとか悪いとかの話ではなく、少なくとも自分は今後もAD云々とかで紹介する物件を左右することなく、お客さんに物件を紹介していきたいと思います。モラルとか気分とかの問題もあるにはあるんですが、それよりも何であれ成約するのが一番で、そのためにはAD云々ではなく、虚心にお客さんに合いそうなものを紹介するしかないとうことです(スキルの問題かもしれませんけどね)。だって、広告宣伝費バンバン使って集客しまくる、ということは出来ませんもの。
ともかく、件数増やすために努力してみます。
あとオオカミ少年みたいになってますが売買のことなどもそのうち。
ではまた。
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グリフィンさん、こんにちは。
弊社の9月の賃貸・売買の仲介実績はゼロでした。
お客様からの電話・メールのお問い合わせもありませんでした。
これまで手数料は、その都度ご説明して1ヶ月分いただいていましたが、
これを機会に0.5ヶ月分にするかというと、
月の実績が0又は1件という状況では、影響が大きすぎるように思われ
迷いがあります。おそらく当分変更しないと思います。
AD付き物件もそれほどありませんし…。
ラストショーさん、こんにちは。
1ヶ月なのか半月なのかは、周囲の状況次第ですよね。1ヶ月頂ければそれに越したことはないですし。単価が下がる怖さはあります。
弊社はもともとは、半月でやっているところとは客層が競合しないつもりだったんですが、そうもいえない(言ってられない)面を感じ始めて、物件そのものは除き、よそには流れないようにする事の方がメリットがあるかなという考えです。
ちなみにウチも駄目なときは駄目です…。問い合わせがあっても空振り続きもよくありますし。
何とかまず問い合わせをとりたいですね。
私自身、問い合わせを増やす方法を思案中です。取りあえず、芸がないですが最近止めていたGoogleAdwordsは再開しようかと思ってます。コストをコントロールしやすいのがいいです。一時期は一つの物件のためだけに出していたこともあったんですよ。少しは効果がありました。
問い合わせだけ増えてタダ働きばかり増えるのもきついですが…。
不安はつきませんが頑張ります。
ラストショーさんも頑張ってください。
グリーフィン様いつも楽しみに読ませていただいております。
当方も少し前から半月にしております。1ヶ月という金額がもらいすぎのと思っていたことと、お客様になぜ、半月じゃないのという説明に時間がかかるのと少し後ろめたい気持ちになるからです。
商売するには少し気が弱いのが自分の弱点だと思います。
近くのお店では半月にして害虫駆除費や生活サポートという名目で売り上げを下げずに営業されているみたいですが、お客様をだますみたいで嫌いです。
グリーフィン様の判断が吉とでることをお祈りしております。
又、お邪魔させていただきます。
キャイーンさん、いつもありがとうございます。
後ろめたい気持ちになるのは気が弱いからではなく、正直だからですよね(笑)。ゴリゴリと押していくやり方もあるでしょうが、正直に徹するというやり方ももちろんあると思います。キャイーンさんは正直さでご商売を発展させていくんだと思います。
本文にも書きましたが、私はしれっとした感じで説明していましたよ。これまでは1ヶ月分頂くと決めていましたから、事務的に淡々と説明しておりました。ぶっちゃけ説明したという事実を残すためにやってたわけです。
まあ、1ヶ月分もらうかどうかは、正直さとは関係ないことだとは思います。でも、半月分と謳ってすっきりしています。
周囲がみんな半月分になってしまったら半月でいくしかないでしょうし、逆に1ヶ月でやっているところが多ければ、半月分にしたアドバンテージは多少あるかもしれませんね。少なくとも、手数料の件で他に流れることはないですし。
一応、計算などもして許容できそうだとか、希望が持てそうだとかそういうことが前提ではあるんですが、でも、自分に合ったやり方でやるのが一番いいのかな、とも思います。
また来てくださいね!