以前、不動産屋の開業当初は賃貸の客付けから始めるつもりと書きましたが、少し迷っています。迷っているので、いつも以上にグダグダした文章になりそうな予感がします。
credit: amslerPIX
目次
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客付けから始めるのは当然
何の地盤も人脈もない不動産業ですから、いきなり地主・家主さんなどから直接物件の買主・借主探しを依頼されている物元(ブツモト)業者(元付けとも言う)として活動できるはずはありません。ですから、客付けから始めることは確実です。もちろん、早く元付になりたいですが。
ただ、元付業者が客付けもして、媒介手数料を買主(借主)のみならず、売主から(場合により広告料の名目)頂く、いわゆる「両手」のおいしさ、というものを目指しているわけではありません。むしろ、(特に売買の場合)売主側・買主側どちらかの立場にはっきりと立つ業者が、常に契約に関わることで、両者の利益が図られると思っています。
例えば自分が買主の場合、不動産屋が売主からも収益を得ており、なおかつ売主との関係の方が強い(継続的な関係があるなど)と思うと、自分自身(買主)の利益を十分に考慮してくれるとは信じられない、そういうことはあると思います。いわば利益相反の関係にある両者の間に立って、どちらかに有利なように動いてるんじゃないか、と不信に思わけです(もちろん、現実にはとても親身に動いてくれる不動産屋さんもたくさんいるのでしょうけれど)。
買主専門の不動産業者、という立ち位置もありだろうな、と思います。
賃貸から始めようと思う理由
一方、賃貸から始めるというのは、いくつか理由があって
- 売買に比較して動く金額が小さいため、まだ信用ない(と思われる)新規参入でもお客さんに来てもらいやすいのでは。
- 売買よりも件数自体が多いため、開業当初から少しずつでも件数をこなして経験を積みやすいのではないか。
- 売買よりも単価が安いため、先輩業者との関係を緩やかに結んでいきやすいのではないか。
- 賃貸よりも売買の方がトラブルが生じた場合のダメージが大きい(顧客・自社両方に)ため、実際の経験を経ずに売買媒介をいきなり手がけるのは、トラブル等の観点からリスキーではないか。
- 賃貸客付の実績を積む過程で、大家さんからの信頼を積み重ねることで、管理物件を獲得、あるいは売買元付の案件を獲得するという道筋が理性的ではないか。
- 件数の多い賃貸顧客が、年月を経て売買顧客に変わる可能性を見据えて、賃貸顧客の名簿獲得を大切に考えておくべきではないか。
などなど…。
本当にそうだろうか。
上の 1~4 についてはなんだか消極的な理由なので、自分の性格上あまりしっくり来ません。
そもそも、賃貸であろうと借主の生活に与える影響はとても大きいですし、経営に苦労されている大家さんにとってもトラブルがあれば大きな負担になります。賃貸媒介業務だって、緊張してトラブルなくやるのは当たり前です。ただ、まあ売買では少なくとも数千万が動くことが多いわけですから、緊張感が違うのが人情というものですね…。
しかし、強者がごろごろいそうな不動産業界に未経験で飛び込む私です。緊張はしますがビビる訳ではありません。何をやるにしたって初めてはあるものだし。
それに、賃貸の客付けは1件あたりの実入りは少ないので、細かい動きをたくさんしないと売上形成が難しいでしょう。ただ、売買はいきなりそう何件も成約につなげられるものではないでしょうから、安定的な売上形成の点では不安です。
と書きながら、結局自分がどの部分で迷っているのかを再確認しました。
やっぱり本当は賃貸と売買の両方をやりたいのです。
本当は両方やりたいけれど、物理的に限界があるだろうからどちらかに絞って始めなきゃなんない、ということです。売買だけ VS 賃貸だけ と考えた時に、現実的なのはどちらだろうか、という選択です。
でも「現実的」という判断は宛てになりません。結局、誰かの成功談・失敗談などを聞いても、「最初は売買客付けから」という話と「最初は賃貸客付けから」という話の両方があります。どちらも現実的にはこっちでしょ、というわけです。
そこで、さっきの理由のうち私は5と6、特に6を重視することにしました。これらは賃貸をやる積極的な理由です。特に6は、名簿を使った商売という点で、私の経験にもマッチします。どの業界も名簿は重視しているはずですが、どうも不動産業はこの点が薄い気がします。まあ、自分自身不動産購入経験はありますが、売買検討中の名簿には頻繁にDM等が来ますが、賃貸客でしかなかった時代には、不動産屋からアプローチがあったためしなどありません。最近も賃貸顧客の名簿を積極的に活用しているという話は、聞いたことがありません(勉強不足かもしれませんが)。
パイを取り合う時代、重視すべき名簿の範囲は拡がっている
大袈裟な話になりますが、日本は人口減少社会に突入しています。単純な話、人口が減れば土地家屋余りになるでしょう。限られたパイを取り合うという点では、不動産業は今後決して「おいしい」商売ではないと思います。
そんな中で大事になるのは、自社が「お客さん」という資産をどれだけ持っているか、ということだと思います。従来の不動産屋さんの感覚は、売買の可能性がすぐにありそうな見込み客だけをお客さん扱いしてきたように思えます。しかし、以前なら一回限りの客として軽く考えていた人たちも、大事な名簿としてストックしていく姿勢が必要になってきているのでは?と思います(きっと、そうしてる先輩方もたくさんおられるでしょうが…)。
かといって、賃貸の部屋を紹介してもらって、その後、その不動産屋から何度もDMが来るなんてうざったいでしょうね。私なら嫌です。この辺は工夫が必要だと思います。
結論
要は、新しいスタイルで長く不動産屋をやるなら、賃貸をやるのは必須。そして、一度に賃貸と売買を立ち上げるのは現実的に難しい。ならば、賃貸で始める。そういうことですね。
少しでも早く、賃貸と売買両方をやれるように目指します。
不動産業界の先輩方には、机上の空論、たわごとに聞こえるかもしれないので恥ずかしいのですが…。やっぱりアップします。
厳しいコメント…大歓迎です。
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皆様こんにちは。尾張小牧です。
日々、これくらいの時間帯が一番落ち着くなぁと
実感しています。
さて、違うコメント欄にも少々触れましたが
賃貸か売買かの件で書き込みします。
私のこれまでのコメントから皆様お察しかと
思いますが、私は一切賃貸はしません。
以降は売買の過程における賃貸業務等が発生する可能性も
あろうかと思いますが、何がしかの形で営業するのならタダで
業者に振り、手数料も取りません。
(*それくらいしたくないのです。)
私の周辺で独立した先輩や後輩は10社ほどありますが
これまで賃貸で独立した人を見たことがありません。
この10社は2年~15年位前の間で起業していますが
全て存続しています。当然、人間性は違いますので
「こんな人で大丈夫?」って人まで生き残っています。
これは「売買」を行ってきたからだと私は考えています。
我々の商いは手数料です。賃貸から考えれば十倍も
二十倍も違う時もあると思います。また、営業上の動きとしても
売買か賃貸かの違いはそんなにないと私は考えていますので
これから実務を兼ねて勉強していかれるなら売買の方が
無難ではないでしょうか。
私の考える賃貸不動産で商いが出来る例は
①元々の地主で用地がたくさんあり、何もしなくても
駐車場収入が入るので、売買も一緒にしようかという会社
②元は売買の仲介会社であったが毎年一定の売上げが
上がるようになった為に雇用して○パマンや○イブルの
看板で売買もしがてら賃貸をする会社
こんな感じでしょうか。こちらはどちらも知り合いの業者です。
(*上記の10社ではありません。)
私は不動産売買における仲介はもちろんの事
将来的には買取の出来るような不動産会社を目指し
開業しました。体の続く限り働きたいと思っています。
お伝えしたいことは山ほどあるのですが、うまく表現が
出来ません事ご容赦下さい。また、皆さんを混乱させる為に
コメントした訳ではありませんので、気を悪くされた方には
申し訳ありません。
尾張小牧さん、こんばんは。
賃貸か売買かの件へのコメントありがとうございます。すごく長いレスになっちゃいますがお許し下さい。
恥ずかしながら、昨年宅建試験の勉強をして初めて媒介手数料の法定上限を正確に知ったのですが、その時まず最初に「売買は儲かるなあ」と思いました。賃貸も売買もそれぞれ異なる手間があるでしょうが、賃貸仲介で食っていくには目が回るように働かないといけないかな、と思いましたし、やはり売買の方が割がいいのだろうな、とも思いました。
私はもちろん、尾張小牧さんのおっしゃる1.にも2.にも当てはまりませんので、賃貸でやっていくのにはかなり無理があるのかも知れません。協会の推薦人の方々と最初にお話しした時や、事務所賃借の仲介をしてくれた営業マンも、賃貸をやるという話をしたら「えっ、賃貸やるの?」という反応だったことも思い出されます。業界の方と少しお話すると、賃貸は手間ばかりかかって儲けが少ないとか、客付けする際の集客についてもFC加盟店との競争では話にならない、という感じのことを言う方が多いです。素人考えですが、賃貸仲介業は不動産業の中でも労働集約型のビジネスで、元々は一人でやるものではないのかな、とも思います。
そんな風に思っていたので、尾張小牧さんのコメントを拝見してその内容にはとても納得しましたし、賃貸で商売を成り立たせていくことの難しさを改めて感じもしました。
それでもやはり私は賃貸をやろうと思います。(このブログでは殆ど触れていないのですが)不動産の賃貸仲介という仕事が、別事業で会社を設立した際の想いとつながると思ったことが、不動産業に向かった最初の理由だったことが本当は一番なのですが、他にも理由があります。
前職の経験が関係ありますが、同じ100万円でも、単価100万円×1件よりも5万円×20件の方が安定している、とういう感覚があります。実際には、前職では高単価のものと低単価のものの構成をどれくらいでバランスするか、ということを考えていたので、低単価ばかりが良いという結論では決してないのですが、それでも低単価の累積で一定の売上を構成したいと考えています。性格的には高単価のものをドガンと売るのが好きなんですけどね(笑)。好きだからこそ、仕事ではそうじゃないものをしっかり取り入れておきたいという気持ちもあります。
とはいえ、低単価で一定の売上に達するには、業務負担の面をかなり工夫しなければならないでしょうし、何より集客力がなければどうしようもならないとは思います。ポータルやFCが席巻する中で自社に集客する力が持てるかどうか、という点はやはりチャレンジです。また、FC賃貸客付店のようなやり方ではない方法を実践し、お客さんに受け入れてもらえるかどうか、というのもチャレンジになると思います。この辺のチャレンジについては自分なりの考えがあって、それが通用するかどうか試してみたいのです。逆に言えば、このチャレンジがうまくいかなければ賃貸での商売は成り立たないのだろうな、と覚悟しています。
開業から数ヶ月遅れで売買仲介も始めようと思っています。売上面では、賃貸仲介で最低限の売上を確保しつつ、売買仲介はラッキーなボーナス、という風にできないかと、虫がいいかも知れませんが考えています。また、売買で役立つものが、賃貸業務の中で有形無形を問わず得られるのではないか、と勝手に算段しています。
恐らく、実務を始めてから色々と考え直さなければならないことが出てくるだろうとは覚悟しています。
尾張小牧さんが率直にコメントしてくださってとてもありがたいです。率直なコメントを頂いた方がより真剣に色々検討できてありがたいのです。恐らく読者の方々にも非常に役立つコメントだと思いますし、「賃貸か売買か」で迷っている方がいらっしゃったら、是非とも尾張小牧さんのコメントを参考にして頂きたいです。
今後とも忌憚のないコメントを是非お願いします。
知り合いの不動産屋さんは
金主さんを見つけてその人を儲けさせることで売買実績を積み、
売買実績から融資を引き、
さらに自社の収益物件を購入することで、
5年で働かなくてもいい状況なってました。
まだ働いてますが。
Win-Winの関係って強力ですね。
ともきちさん、コメントありがとうございます。
お知り合いの不動産屋さん、きっと商才と努力と強運を持ち合わせていらっしゃるのでしょうね。
私はずっと働きたいですが、小さなWin-Winの積み重ねを志向したいと思います。
ブログ見に行きますね。
今後ともよろしくお願いします。