正直言うと…。

昼間、ホームページからの問い合わせメールがあったことをご報告しました。瞬間的にテンション上がりましたが、その後それで気分がアゲアゲになっているかというと、そういう訳でもありません。

Upper Grounds, Trinity Road, Aston - M & B - Good Honest Beer - sign © by ell brown

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たった1件の問い合わせでアゲアゲになるのはおめでたいと思いますが、いつもの自分なら、まさにそのおめでたい奴になっているところです。

公開したばっかりで、極少数のアクセスから自分の思い描いた導線で問い合わせを頂けたのだから、とポジティブに考えて、そこを一直線に強化していこうと鼻息を荒くしているかも知れません。

でも、そうなれないのは、地に足が着いていないこの感覚のせいだと思います。もっと進めておきたかったエリアやそこにある物件への理解、同業者とのつながり、地域とのつながり、プロとしての知識、自分の不甲斐なさを噛み締めています。

 

 

もうひとつは、ホームページ。後日詳しく書きたいと思っていますが、それなりの不動産ホームページが出来ました。WordPress+不動産プラグインのおかげで、私のような素人が作っても一通りの機能をもった不動産サイトです。もちろんプロには敵いませんが、街を歩き回って撮りためた写真などを加工し、その街専門の不動産屋というイメージを押し出しています。バナーやアイコンもそこそこ綺麗にデザインし、企業サイトであれば必須だと思うページも適当ではなくしっかり作りました。どんな店なのか、どんな姿勢でお客さんと接したいのか、この仕事を通じてお客さんに何を届けたいのか、もまだまだ荒削りではありますが表現しています。

でも、「違うな」そう感じ始めています。

物件検索ができることも、多数の物件を登録してあることも(現状はまだまだですが)、あるいは登録フォームあたりの機能も、(不要ではないけれど)全然重要じゃない。それはあった方が良い機能でありツールだけれど、もっと洗練されてもっと使いやすい機能を実装しているサイトなんていくらでもある。デザインだってカッコいいもの、綺麗なもの、面白いものはいくらでもある。

それは最初からわかっていたこと。そこで勝負するつもりはない。なのに作業に埋もれると、その辺を整えることが自己目的化しがちになってしまいます。こんな時期にそう思うのは、自分の考えの詰めが甘い証拠です。

 

 

昨日、深夜の喫茶店で一人ご飯を食べながら考えていました。

業界経験のない自分、よそ者の自分、大きな資本もなく古いビルの一室をDIYした事務所。

ホームページがそれなりに見えたところで、こちら側にいる自分のリアルな姿と乖離していたら意味が無い。お客さんが来て見たら予想と違ってがっかり、となったら意味がないし申し訳ない。

等身大の自分で勝負するしかない。それを見せた上で選んでもらうしかない。等身大の自分が選ばれるとしたら、それは何によってなのか。

ホームページにも自分の考えを表明しています。賃貸の仲介を通じてお客さんに何を提供したいのか。どんな仲介をしたいのか。

でも全然です。なんとなく綺麗なページ、まるで街に定着しているかのようなアピール、うまいこと撮った店内の写真、知識豊富そうなコンテンツ(HP内で連載を始めています)。その中で「こんな仕事をします」とアピール。

例えば、「親切」であるとか「誠実」であるとか、「お客さんの利益を最優先します」とか、そんな言葉は空虚です。お客さんの利便性をどんなに追求しているのか、部屋探しの時に感じる「緊張」をどう取り払うのか、それを言葉で説明していても、やはり空虚です。

それがダメとは言わないけれど、肝心なものが抜けている気がしてなりません。

 

 

等身大の自分を外に向かってどう表現するのか、いやその前に表現すべき等身大の自分そのものをもっと何とかしないといけないと思っていたところだったのです。会社にしてあろうと、ホームページで綺麗な看板を掲げようと、結局は自分一人。どんな場面でも、今勝負しているのは生身の自分なのだということを意識して仕事しなければ、と思った次第です。

そしてそのことで、あらゆる場面での表現を変えて行こうと。

 

 

前に歩きながらやるしかない事ですが、昨夜そんなことを考えいたところだったので、お客さんがホームページから何を感じて登録してきたのかを考えると、そのあたりが余計に大事に思えてきたのでした。

実際には選んで登録してもらったのではなく、多数登録されている方かも知れません。でも昨夜考えていたことを、より突き詰めながら前進しないと、と思うきっかけをもらった気がしました。

 

 

 

考え込んで落ち込んでいる訳ではありません。なんだかずっと前に考えていたことが甦ってきた感じで、すっきりしてきました。

 

 

 

さて、今週後半あたりから外回り中心に活動しようと思っています。

おやすみなさい。

 

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griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

8 thoughts to “正直言うと…。”

  1. 不動産の事で調べごとをしていましたら、たまたまここにいきつき拝見させて頂きました。 私も不動産会社の社長をしています。5人ばかりの小さな会社ですが、なんとかやっています。 私は不動産仲介業のオール歩合の会社を、20年間やって、数社転々としました。 今の不動産業界は非常に厳しい状況だと感じています。 一生懸命は、当たり前の話で、死に物狂いでやって、それプラス他社ではやっていない事をやるしか生き残る道はないと思います。 生き残れるかは、他社とは違うというのが、見つけられるか見つけられないかだと思います。 私は、それなりに見つけられたので、独立して5年ほどですが、そこそこ儲けて、なんとか存続しています。 不動産は開業は簡単にできますが、生き残るのが非常に厳しい業界です。 私自身、綺麗事かもしれませんが、儲けるだけが全てではないと思っているので、社長としてはダメなのかもしれませんが、そんな自分が好きなので、儲け重視では仕事をしていません。 プログの内容を拝見して、私も以前悩んだことだなーと思いながら読ませて頂きました。 良い方向に向かえばと、応援しています。頑張ってください。 あと、追記ですが、私は男のプライドは、土下座をしないことではなく、自分の為には土下座はしないが、他人や家族や社員の為には、土下座もいとわない事がプライドだと思います。 ですから、仕事上では、自分の個性を出していけば、そんな自分を好きになってくれる人は、業者でもお客様でも、必ずいます。と私は思って働いています。 家を売りたいと思って接するのではなく、・・・・うまく言えませんが、とにかく自分をまず売る事が大事かと思います。

    1. コメント、とても嬉しく読ませて頂きました。

      今は色々と悩み苦しみながらやっています。日々物件の動きを見ても、近隣の先輩方の話を聞いても、本当に今の不動産業界はとても厳しい状況だと実感します。それでも何故か私はこの業界に夢を感じ続けています。

      なかなか思い通りに行かず、それでも目先のことだけではなく持続できる形を作って行きたいと、焦らないよう自分に言い聞かせていますが、やはり少し焦っています。少し進んでは自分の浅はかさというか見込みの甘さに気付かされ、見直し見直しの連続です。

      自分の性格のせいで、なかなかこういう時はブログの更新が出来ないのですが、それでもこうしてアドバイス頂けると、やはりブログをやっていて良かったなと思います。ありがとうございます。

      他社とは違う何か、というお話を読んでいて、少しサラリーマン時代のことを思い出していました。不動産業とは全く異なる業界ですが、最初の数年はただがむしゃらに地べたを這うように働き、その後から色々な新しいアイディアが次々と浮かぶようになりました。そのアイディアを実現するまでに既存のやり方で売上をなんとか確保しながら数年。その後やっと新しいやり方を実現できるようになりました。

      私のような業界未経験者が、本当の意味で他社と差別化できる何かを見つけ、実現するにはまだまだ時間がかかるのかも知れません。スピードを上げなければ間に合いませんが、そこまでどんなことをしても生き延びます。

      「自分をまず売る」こと、まさに悩んでいたことでもあります。経験不足を自覚すると、何というか、つい行儀の良い優等生的な解答を探してしまっていることに気付きました。情けないことですが、未経験で飛び込んできたくせに「舐められたくない」という気持ちも働いていたように思います。でも今は、ありのままの自分で勝負していくしかない、経験や知識はがむしゃらに増やしていくしかない、と当たり前のことながら、改めて自分に言い聞かせ、すっきりしています。もっと色んな方に自分を知ってもらおうと思います。

      私にとっては、5人の不動産会社は大きく見えます。それにもっと大きな会社もひしめいている中で、それだけの人間を食わせていけるだけの事業を続けておられるということに敬意を感じます。そんな大先輩からの応援のお言葉にはとても元気が出ました。また「他人や家族や社員のためには土下座もいとわない」という言葉に経営者としての覚悟や気迫を教えて頂いた気がします。

      本当にありがとうございます。頑張ります。

      更新がかなり滞っていますが、宜しければまたいらしてください。

  2. お疲れ様です。この悩みはサラリーマンでは経験出来ないなやみです。

    集客スタイルが何となく分かったのですが、初期の僕の頃と考え方が似ていました。「他の不動産屋には負けない、地域密着型。ランチェスター戦略。」但し、業界の事を考えて手数料は正規。という感じでしょうか。
    不動産仲介業は人の商品を右から左に流す仕事なので、マーケティングでのランチェスター戦略は中々通用しないと思います。今は殆どの物件が公開されていますので、「何処の不動産屋に行っても一緒。なら大手に行こう」になってしまいます。

    僕も色々と考えたのですが、結局は売主か貸主にならないと、正直きつい業界です。
    半年ほど頑張って、専任、管理を取る事が出来なければ、借入で物件買うか、周りの不動産屋を敵にする覚悟を決めて、仲手格安でやるしかないと思います。
    何かしらリスクは背負わないといけないんだなと思い、僕は後者を選びました。
    不動産屋である前に経営者という事を忘れないで下さい。
    業界を良くしたいとか言うのは大手のセリフだと思います。
    生意気いってすいませんが、僕もグリフィンさんの気持ちが痛い程分かるので、僕の考えだけのべておきます。

    1. とおりすがりさん、非常にわかりやすいご指摘ありがとうございます。

      実際の経験を経ておっしゃって頂いているだけに、とても重みを感じながら読ませて頂きました。また、厳しい言い方をして下さっているのも、本当によかれと思っておっしゃって下さっているのが良く分かり、とても嬉しく思いました。

      お返事を書いていたら、すごく長文になってしまいそうだったので、今夜にでも次の記事にして書きたいと思います。記事にしてしまうことお許しください。

      そして、本当に出来れば今後とも色々教えて頂けると嬉しいです。

    2. 記事にして頂いて結構ですよ。
      僕もいつもグリフィンさんの記事を読ませて頂いて、勉強になっていますし。

      僕も、いろんな志を抱いて、経営方針等決めてから飛び込んだのですが、現実の壁にぶつかって、ショックを受けました。
      そして経営者として、まずは生き残る事を選び、「プライド」を捨てて頑張っている所です。

      今は格安仲手の不動産屋ですが、いつかは立派に手数料貰える不動産屋になる様に頑張ります。

    3. とおりすがりさん、ありがとうございます。
      先ほど帰宅し記事を書き始めました。頂いたコメントがものすごく刺激になって殴り書いています。
      夢も希望もありますが、まずは生き残る事。業界未経験者の私ですからなおさらです。
      すごく的を射た指摘を頂いて、頭にスイッチが入って、元気が出ました。本当にありがとうございます。

  3. はじめまして。
    ずっと、読ましていただいてます。
    毎回、すばらい文章だと、感心してます。
    wordpress グリフィンさんのおかげで知りました。 
    10日で問い合わせがあったことは、確かな手ごたえですよ。
    新しい不動産屋は増えるべきと思ってます。
    私も開業を志す身として、応援してます。

    1. つまづきさん、はじめまして。
      文章を褒めて頂けるなんて恐縮です。
      WordPressや不動産プラグインの記事をもう少し増やしたいとも思うのですがなかなか…。
      迷ったり悩んだりの日々ですが、頑張ります。
      応援ありがとうございます。今後とも宜しくお願いします。

釣り好きの不動産です。 へ返信する コメントをキャンセル

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